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 北海道東部、厚岸(あっけし)町沖にある無人の大黒島はゼニガタアザラシの繁殖地だ。黒地に古銭のような斑点をつけた体を岩場で休めている親子の姿が見られ、出産・育児シーズンの終盤を迎えている。

 ゼニガタアザラシは、北海道の東部から襟裳岬にかけて分布する。今月上旬、北海道大学や帯広畜産大学の研究グループが大黒島など8カ所で生息数を一斉調査した。ここ10年ほどは微減傾向で、大黒島では183頭(うち赤ちゃん20頭)、全体では569頭(同69頭)が確認された。

 大黒島で調査した北大研究員の小林由美さんは、出産数が減っていないのに個体数が減っていることに着目。「海水温の急激な変化によるエサ不足など、海洋環境の影響が考えられる」と話している。

 ゼニガタアザラシは乱獲などで1970年代に百数十頭まで激減し、絶滅の恐れがあった。その後、保護策などで持ち直した。環境省のレッドリストの準絶滅危惧種に分類される。近年は、定置網の魚を食べたり網を破ったりする被害が目立っており、漁業との共存が求められている。(高田誠)