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 奈良県総合医療センター(奈良市七条西町2丁目)は12日、50~90代の入院患者22人から、抗生物質がほとんど効かないバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)が検出されたと発表した。センターはVREによる院内感染と判断。職員に再発防止の徹底を求め、病棟を一部閉鎖するなどしている。

 センターによると、VREは人の腸内にもいる一般的な細菌で、健康だと保菌していても発症はしないが、抵抗力の弱い人などは、肺炎などの感染症を引き起こす場合がある。

 VREは5月13日、4階西病棟の入院患者から検出。何らかの感染症を疑った主治医が検査し、陽性反応が出た。他の入院患者120人でスクリーニング検査をすると、22人の保菌者が判明。いずれも発症には至らなかった。うち2人は死亡したが、死因はそれぞれ腎不全と膀胱(ぼうこう)がんで、院内感染が原因ではないと説明している。

 県立医大と奈良市保健所が6月6日に調査し、看護師らの手指の消毒、マスクや手袋による防護などの対策が不十分だと指摘。センターは臨時感染対策会議を開催。病棟内をアルコール消毒し、改めて院内で感染防止策の確認や徹底を求めた。病棟の一部は閉鎖し、入院の受け入れを制限している。

 菊池英亮院長は記者会見し、「医療や看護の処置をしたあとの手洗いなどが不十分だった可能性がある。地域医療に制限をかけ、申し訳ない」と話した。(加治隼人)