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 新潟県長岡市職員の女が、生後3カ月の長女を自宅で殺したとして12日、殺人の疑いで県警に逮捕された。周囲に育児の疲れを漏らしていたという。日中、二人きりの母子に何があったのか。県警は、衝動的な犯行だった可能性もあるとみている。

 県警によると、逮捕された伊藤法子容疑者(31)=同市末広2丁目=は12日午前11時ごろ、抱いていた長女の光ちゃんを床に落とし、殺害した疑いがある。容疑を認めているという。司法解剖の結果、光ちゃんの死因は脳挫傷などによる外傷性ショックで、日常的な虐待を示すような目立った外傷はなかったという。

 捜査関係者によると、伊藤容疑者は「(光ちゃんを)複数回、床に落とした」と供述をしているという。夫と就学前の長男を含む4人暮らしだが、事件当時は光ちゃんと二人きり。直後に訪れた義母が廊下に倒れた光ちゃんを見つけ、119番通報した。

 市によると、伊藤容疑者は2010年に市に採用され、福祉課などを経て13年4月から人権・男女共同参画課に在籍し、女性活躍のためのセミナー開催などを担当した。仕事ぶりは真面目で明るく活発。職場では変わった様子はなかったという。今年1月から産休をとり、2月27日に光ちゃんを出産。4月から1年間の予定で育児休業中だった。

 伊藤容疑者は4月16日、生後4カ月未満の乳児がいる全家庭を対象にした市の「こんにちは赤ちゃん訪問」で訪れた助産師に、「赤ちゃんが夜間に3度ほど起きて授乳するため、よく眠れない」と訴えた。5月8日には、長男の定期健診時の問診票に「よく眠れない」と記入。保健師に「心療内科を近々受診する」とも話したという。

 この情報を受けて、5月中旬に伊藤容疑者宅を再訪する予定だった助産師は、その予定を今月に変更。市職員が今月14日に伊藤容疑者に電話し、心療内科の診断結果などの状況を確かめた上で、訪問日時を決める計画だったという。波多文子・市子ども未来部長は「子どもの夜泣きで眠れないという訴えはままあることで、子どもの成育に悩んでいる様子もなく、緊急性はないと判断していた」と話す。(伊丹和弘、飯塚大和、中村建太)

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