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 「男の強さ」を重視する社会では戦士が特権を与えられやすく、結果として紛争の頻度が増す――。アフリカの先住民のような近代文明を採り入れていない社会について、福岡大の縄田健悟講師(社会心理学)がデータベースを分析し、そんな結論を得た。

 データベースは、アフリカのマサイ族や南米のヤノマミ族など、近代文明を採り入れていない世界の186の社会を調べたもの。人類学者が1960年代以降、それぞれの社会に住む人の暮らしぶりや文化の特徴を記録してきた。

 縄田さんは、攻撃的で強い男性ほど尊敬され、復讐(ふくしゅう)がよいこととされる「名誉の文化」と、敵を倒した男性に与えられる名誉や報酬などの「戦士の特権」、別の集団との間で発生した紛争の頻度を得点化し、関係を調べた。

 その結果、戦士の特権が大きいほど紛争の頻度が高かった。また、名誉の文化が重んじられるほど戦士の特権が大きい傾向があった。これまでの研究では、名誉の文化が個人間の争いを増やすことは示されていたが、集団間の紛争との関連はわかっていなかったという。

 縄田さんは「男のタフさを重視する文化では戦士であることが得なので、紛争が増える。現代の文明社会でも同じ関係性が残っている可能性はある」と話す。

 論文のタイトルは「戦争における栄光の戦士」。ウェブサイト(https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/1368430219838615別ウインドウで開きます)で読める。(小宮山亮磨)