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 40~64歳のひきこもり状態の人が全国に61・3万人。内閣府による初の全国推計が公表されたのは3月末です。ひきこもる中高年の子と高齢の親が孤立する「8050(はちまるごーまる)問題」は深刻さを増し、こうした家族が関わる痛ましい事件も起きました。私たちは、この問題にどう向き合えばいいのでしょうか。

我が事として考えて

 ひきこもり経験のある仲間と映像制作などの会社を立ち上げた長井岳さん(43)に、内閣府調査について聞きました。

 調査結果には、ひきこもる人のうち、生きるのが苦しいと感じることがある人が49%、死んでしまいたいと思うことがある人が30%というデータがありました。長井さんは「自分も当時そう思っていたので、全く不思議ではない」と受け止めています。

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 当事者は、自己否定をし続けてきた年月が長すぎて、どう助けを求めてよいかもわからないといいます。長井さんは「死にたいという当事者の声を行政として聞いたからには、どうすればその生きづらさを一つずつ解きほぐせるか、一緒に考えるサポートをしてほしい」と話します。

 調査では、一度も働いたことのない人も2%いました。長井さんによれば、ひきこもる人の多くは、世間からの視線を受けて「働かないと人間じゃない」という意識を内側に抱え、日々苦しんでいるといいます。「私の周りの当事者も、中年になるまでに、どこかで無理をしてアルバイトを経験している。でも無理に職場に自分を合わせようとして大きなダメージを受け、力尽きた人も多い。私自身もそうでした」

 内閣府調査公表や「8050問題」に関連する大きな事件などのニュースがなくなったら、メディアは一斉にひいてしまうのではないか。ひきこもり当事者・経験者でつくる雑誌「HIKIPOS(ひきポス)」のライターであるロングロウさん(36)はそう懸念しています。

 「最悪なのはニュースのコンテンツとして『ひきこもり』が消費され、社会保障を圧迫するダメ人間という認識が固定化されること。異物を排除するような視点ではなく、『これって私や家族の問題かも』という目で、継続して取り上げてほしい。そうすれば社会で支援する流れができるはずです」

そもそもの定義は?

 カーテンを閉めきった部屋でゲーム漬け、昼夜逆転で髪はボサボサ――。「そんな極端なひきこもり像がメディアで流布しているため、あてはまらない当事者がいると『やらせ』『ニセヒキ』と言われてしまう」。20年以上のひきこもり経験があり、ライター活動などをしているさとう学さん(41)は指摘します。

 そもそも、ひきこもりとは? 国が用いる定義では、仕事などの社会参加を避けて家にいる状態が半年以上続くことを言います。内閣府は、ふだんは家にいるがコンビニに出かけたり、趣味の用事で外出したりする人もひきこもりに含めて推計しています。こうした定義が報道で伝わると、それなら、ひきこもりではないのでは、との声もあがりました。

 内閣府は、ひきこもり認定に関わる八つの選択肢全体を参照してほしいとしたうえで、「コンビニなどに出かけるといっても、家族以外との交流は前提としない外出を想定している」(北風幸一参事官)と説明します。

精神科医の斎藤環さんやひきこもり支援、家族会などの代表らが、この問題との向き合い方について語ります。

 KHJ全国ひきこもり家族会連…

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