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 「猛暑日の 三者面談 こおりつく」「母弁当 インスタ映える 僕遅刻」――。17音のなかに、青春まっただ中のみずみずしい感性を詰め込んだ「全国高校生川柳コンクール」が、15回目を迎えた。応募句数は年々増加。親世代が哀歓を詠む「サラリーマン川柳」をしのぐ勢いだ。

 コンクールが始まったのは2005年。活字離れの進むなか、若い世代にも川柳に親しんでもらおうと、福岡大(福岡市)が創立75周年の記念事業として企画した。選考委員には学長や教員、川柳の専門家らのほか、学生たちも加わり、同世代の視点も反映されている。

 川柳は、俳句と同じ五七五の17音。季語などの約束事はなく、日常の言葉で身近なテーマを詠む。叙情的だったり世相を反映させたりしつつ、ユーモアや洒脱(しゃだつ)さ、切れ味なども重視される。

 熟年世代向けとされがちだが、最近では週刊少年マガジンに4コマ漫画「川柳少女」が連載されるなど、若年層にも浸透しつつある。

 その一翼を担ってきたともいえるのが、このコンクールだ。

 1回目は、74校の3434人から8301句が集まった。昨年は、全国45都道府県にある270校の1万7906人から、4万3585句が寄せられた。人数も句数も過去最多を記録。32回を数える第一生命の「サラリーマン川柳」の4万3691句に拮抗(きっこう)する句数を誇るまでになった。

 1回目から選者を務める全日本川柳協会常任幹事の梅崎流青(りゅうせい)さん(73)は「受験や異性、部活といった普遍的なテーマが多い。特に家族を詠むことで、それが触媒となって親や兄弟、祖父母への思いに改めて気付く内容もあり、好感を持って選句している。少しばかりは政治に対する関心も出てくると思うので、ぜひ新聞を開いて多くを感じ学んでほしい」と話している。

 モテたい、恋したい、でも勉強しなければ。過去5年の入選作品を読み解くと、悩み多き高校生たちの姿が浮かび上がる。

 「合唱部 男一人で モテもせず」(千葉県、高1)では彼女のいない高校生男子の焦燥感があふれだし、「パンケーキ 味より量より インスタ映え」(群馬県、高3)には今どきの高校生たちがスマートフォンを手にした光景が浮かび上がる。

 「家族LINE 入ってないのは 親父だけ」(兵庫県、高2)「速報の SMAP解散に 騒ぐ母」(愛知県、高1)「親父似の 彼氏と聞いて 母不安」(岡山県、高1)など、親を冷静に見つめる視線も垣間見える。

 もちろん恋だって欠かせない。「君からの 『おやすみ』のLINE 眠気飛ぶ」(愛媛県、高3)では弾む心を初々しく表現。「解けないや キミの気持ちの 方程式」(福岡県、高3)は恋の痛みを詠みあげ、「嫉妬して 知らないうちに 恋を知る」(香川県、高3)と、切ない思いを軽やかにつづる。それもこれも10代の特権。きょうも頑張れ。青春バンザイ。(谷辺晃子)

■過去5年の主な入…

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