ホルムズ海峡タンカー「飛来物で攻撃」 運航会社が説明

黒田壮吉 贄川俊
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 中東・ホルムズ海峡付近のオマーン湾で攻撃を受けたケミカルタンカー「KOKUKA COURAGEOUS(コクカ・カレイジャス)」を運航する国華産業(本社・東京)が14日午後に記者会見を開いた。乗組員が「飛来物で攻撃された」と話していることを明らかにした。実際に飛来物が飛んでくるのを見た乗組員がいるといい、詳細な状況を確認している。

 同社によると、14日午後の段階で、タンカーはタグボートに引航され、イラン沖のオマーン湾をアラブ首長国連邦の港に向けてゆっくりと航行している。沈没の恐れはなく、積んでいた貨物や燃料の損失もないという。

 タンカーは10日午前(現地時間)、メタノール2万5千トンを積んでサウジアラビアの港を出港し、タイやシンガポールに向かった。

 13日正午前に1回目の攻撃をエンジンルームに受け、消火作業をしている最中の約3時間後に2回目の攻撃を受けた。2回目については、乗組員が飛来物を見たという。

 タンカーは、機雷や魚雷による攻撃を受けた可能性が指摘されている。

 これに対し、堅田豊社長は①乗組員の証言②損傷した箇所が海面より上の部分だった③運航中に装着型の機雷を取り付けるのは難しいと考えられる――といった理由を挙げ、機雷や魚雷による攻撃の可能性を否定。砲弾などの飛来物による攻撃だったとの認識を示した。

 フィリピン国籍の乗組員21人は全員が船外に避難し、近くを航行していたオランダ船を介して米海軍の艦船に救助された。乗組員1人が軽いけがを負ったが、米海軍の支援のもとで全員がタンカーに戻ったという。

 国華産業は当初、2回の攻撃を左舷側に受けたとしていたが、この日の会見でいずれも右舷側だったと訂正した。(黒田壮吉、贄川俊

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