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 社会で居場所を失った理由も、家庭の環境もさまざまな「ひきこもり」。そうした人たちに笑顔を取り戻してもらおうと、寄り添い、支援をしている現場を訪ねてみた。

 京都市内の古びた住宅で13日午後、ひきこもりの当事者ら30~40代の男性7人ほどが雑談をしていた。川崎市の20人殺傷事件などを受け、6日に初めて相談に来た元京大生の男性(44)も交じり、笑い声が絶えない。

 40~50代のひきこもりの人と家族を支援する「市民の会 エスポワール京都」の集会所で、ひきこもりの人々を長く支援する山田孝明さん(66)が主宰している。山田さんはだじゃれを言ったり、自分の失敗談を伝えたり、手品を見せたり、飲みに誘ったり。ゆるく、温かい雰囲気が場を包む。

 中高年のひきこもりの人への支援不足を危惧して2017年に山田さんらが設立した。週に3回、来たい人が集まり、陶芸やマージャンをする。「この社会に生まれて学校に行ったり、働いたりしただけで『ひきこもらざるを得なかった』人がいる。それが世の中に理解されていない。『就労しろ』なんていう前に、ただそこにいるだけでいい、という感覚を持ってもらい、癒やされる必要がある」と山田さんは言う。

 こうした支援団体は当事者に「自己肯定感」を持ってもらうことを大切にしている。大阪府豊中市社会福祉協議会が運営している「びーの×マルシェ」。軒先に新鮮な野菜が並び、店内はカフェにもなっている。赤いエプロン姿の店員の一人は7年のひきこもりを経験した女性(43)だった。

 女性によると、短大でイラストを学び、卒業後は漫画家を目指しながらパートで6年間働いたが、勤め先が閉店。その後の就職活動で落ち続け、採用されても対人関係がうまくいかなかった。漫画家の芽も出ず、次第に自信をなくして自宅にひきこもったという。

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 貯金を取り崩したが、底を突いても、親に小遣いが欲しいと言えなかった。金がないと外出も減り、友人ら人間関係も狭まった。家にいる時間が長くなると、外で近所の人に会うのも苦痛になった。ストレスのはけ口は親だけ。「苦しさから、親を無視したり、口で攻撃したりしたこともあった」と振り返る。

 死を考えたこともある。「役にも立たないし、こんなに迷惑をかけるなら、自分はいないほうがいいかなって思った。でも、実際に行動に移すことはできなくて、それもまた情けなくて『本当に自分は何もできないな』って思っていました」

 ある日、母親の相談を受けた豊中社協のコミュニティーソーシャルワーカーの勝部麗子さんが自宅にきた。「『仕事をしろ』と言われるのか」。目も合わせなかった。

 しかし、母親から「イラストが…

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