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 3年前の参院選の際、選挙権年齢の引き下げで初めて一票を手にした18、19歳に政治や選挙への疑問を聞き、識者に答えてもらった。あれから政治とのつきあい方は変わったのだろうか。同じ若者を訪ねてみた。

鹿児島国際大4年・有馬綾音さん

 18歳のときは投票に行きませんでした。政治に詳しくなく、誰に投票すればいいのか、どう判断すればいいのかと戸惑うばかり。選挙は友達と話題になりませんでしたし、ニュースを見ても政治家が何をしたいのか伝わらず、結局決めきれなかったんです。

 当時は、大学に通うため地元・屋久島を離れて鹿児島市内で生活し始めたところでした。「離れていても地元にできることはないか」と疑問を抱き、紙面で日本総研主席研究員の藻谷浩介さんに「島の本当の良さを知ったあなたが、いつの日か島に戻る。そのことが島への貢献です」と言ってもらいました。

 大学1年のころ、「屋久島に行きたい」と言う大学の友人たちを連れて、屋久杉の森や滝を見て回りました。自分にとっては当たり前で、子どもの遊び場でしかなかったのですが、友人たちは「大自然だね」とすごく興奮していました。痛感したんです。島で暮らしているときには、魅力に目が向いていなかったんだなって。

 だから、今夏に母校の屋久島町立宮浦小学校で教育実習をしたとき、島の素晴らしさを生徒たちに伝える努力をもっとすべきだと感じたんです。

 ただ、今は、どこで就職したらいいか迷っているのが正直なところです。高校の同級生約80人は9割近くが島を出たままで、多くは戻ってきそうにありません。島に働き口や病院は少なく、コンビニのサービスも限られています。なにかと不便があるんです。

 島を離れて魅力に気づけたし、ゆくゆくは戻ろうとも思います。参院選は、島のことを大事に思ってくれる候補者がいないか、訴えに耳を傾ける機会にしたいと思います。(藤原伸雄)