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 日本中央競馬会(JRA)は15日、競走馬の飼料添加物から禁止薬物が検出されたため、同添加物を購入した28厩舎(きゅうしゃ)に所属する計156頭を競走除外とし、15、16日の函館、東京、阪神競馬に出走させない措置を取った。15日は計72頭が除外となり、16日に行われる重賞レースの函館スプリントステークス(GⅢ)は、ダノンスマッシュなど6頭が除かれ、7頭立てとなる。除外された馬はJRAの公式サイトで確認できる。

 禁止薬物のテオブロミンが検出されたのは、商品名グリーンカルというビタミン・ミネラル剤。テオブロミンは興奮作用などがあるとされ、禁止薬物104種類のひとつだ。

 グリーンカルは古くから使われている製品。ただ競走馬の体内に入るものは、新しく製造されるたびに原料などが違うことから、販売前に公益財団法人・競走馬理化学研究所で薬物検査を受ける規則になっている。今回は検査結果が出る前の製品が厩舎に流通していた。なぜルールが機能しなかったのかは調査中だ。

 検査結果がわかったのが14日の午後だったため、全馬の薬物検査をする時間的な余裕がなく、JRAは、グリーンカルを購入した28厩舎の出走予定馬156頭を体内に摂取した可能性があるとして一律に競走除外とした。競走除外になった156頭に加え、関係厩舎の所属馬が来週以降のレースに出走しようとする場合、血液検査に合格すれば認められる。馬券の前売りはインターネット発売に限られていたため、競走除外に伴う窓口での馬券の払い戻しで混乱はなかった。

 150頭を超す大量の競走除外という前代未聞の出来事に日本騎手クラブ副会長の福永祐一騎手は「競馬サークルの一員としておわびする。競馬の歴史上類を見ない事件」などと話した。競馬専門紙や競馬欄を大きく扱う夕刊紙は予定していた紙面構成や勝ち馬予想の変更などに追われたという。

 影響は地方競馬にも及び、帯広で5頭、金沢でも20頭が競走除外となった。(有吉正徳)