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 大阪府の吉村洋文知事と堺市の永藤英機市長は、堺市の副市長に府幹部を起用する方針を固めた。堺市長選で大阪維新の会公認の永藤氏が勝ち、維新は吉村知事(政調会長)、松井一郎・大阪市長(代表)とともに「大阪3トップ」を独占したばかり。府と堺市の橋渡し役を設けることで、広域行政の意思決定を一元化する「バーチャル大阪都」の象徴とする狙いだ。

 大阪府総務部長の中野時浩氏(59)が近く退任し、永藤氏が6月下旬の堺市議会に中野氏の副市長起用案を諮る見通しだ。中野氏は府財務部長や健康医療部理事、市町村課長などを歴任。堺市では市長選直後、前市長に仕えていた副市長3人が退任しており、財政や市町村行政に詳しい中野氏に白羽の矢が立った。

 大阪市をなくして東京23区のような特別区に再編する制度改革「大阪都構想」を掲げる維新はこれまで、松井、吉村両氏が府と大阪市の連携を強化。観光戦略や水道行政などで一元化を進め、「バーチャル大阪都」を演出してきた。今年4月の府知事・市長のダブル選後には、府副知事に大阪市副市長を起用する異例の人事も実現させた。

 さらに6月9日の堺市長選で、維新公認の永藤氏が初当選。維新は「バーチャル大阪都」を3府市に広げ、より広域的な大阪都構想を視野に入れる構えを見せてきた。今回の幹部人事は、その第一歩といえる。

 3府市連携をめぐっては、堺市は府と大阪市の成長戦略を協議する「副首都推進本部会議」に新たに加わる方針。世界文化遺産登録を控える百舌鳥(もず)・古市古墳群を活用した観光戦略などで協議を進める予定で、永藤氏は府と堺市の橋渡し役を中野氏に担ってもらう考えだ。