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 大阪府吹田市で交番勤務の警察官が刺されて拳銃が奪われた事件は主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)の大阪開催を目前に控える中で起きた。大規模な警戒・警備態勢が敷かれていただけに、大阪府警からは焦りの声が漏れる。

 「G20サミットの警備への影響は分析できていないが、拳銃を奪われ、検挙できていない状況は避けたい。なんとか(サミット)本番までには検挙したい」

 大阪府警の石田高久本部長は16日午前、捜査本部のある吹田署前で、報道陣に苦渋の表情で語った。事件の発生早々、府警トップ自らが報道陣の取材に応じるのは異例のことだ。

 37の国・機関の首脳らが集まるG20サミットは28、29両日、大阪市で開かれる。警備態勢は、3年前の伊勢志摩サミット(G7)の約2万3千人を超える見通し。石田本部長は15日、全国の都道府県警からの応援部隊長らを前に「史上最大規模の国際会議の警備になる。予定外の事態も想定して万全の準備を」と訓示したばかりだった。

 ある府警幹部は「タイミングが悪い。サミットの警戒・警備を増強しているうえに、容疑者確保のための人員も増強しなければならない。非常に厳しい状況だ」と危機感を募らせる。また、別の幹部は「奪われた拳銃がG20中に使われでもしたらと考えると、心配でならない」と漏らす。

 昨年8月には大阪府警富田林署で留置中の容疑者が逃走する事件が発生し、身柄の確保までに49日かかった。本部長の取材対応についてある府警幹部はこう読み解く。「拳銃が奪われた上に容疑者がまだ確保できていない。逃走事件と同じく、再び地域住民に不安を与えてしまったことを意識し、自らの言葉で発信しようと思ったのだろう」