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 文部科学省は17日、外国人の子ども向けに今後取り組む、教育の支援策を公表した。学齢期の子どもの就学状況を初めて調査するほか、多言語での就学・就園案内や、高校入試における配慮を全国の教育委員会に促すのが主な内容。障害のある外国人の子どもに対応するため、特別支援学校などでも日本語指導の補助や通訳ができる職員の配置も進めるという。

 外国人の場合、保護者が子どもを小中学校に就学させる義務がない。学校側の受け入れも遅れており、就学状況を把握できない子どもが数万人規模に上るという試算もある。一方、政府は外国人材の受け入れを拡大する方針を打ち出しており、日本に住む外国人の子どもは今後も増える見通しだ。教育機会の確保が課題となるなか、文科省は有識者への聞き取りや現地視察をしながら、支援策について検討を進めてきた。

 文科省はまず、就学状況の把握が必要だとして、全国の教委を通じて調査することを決定した。照会を既に進めており、今夏にも取りまとめて公表する方針という。また、多言語による就学案内を徹底し、幼児期の子ども向けの就園ガイドも作成する。高校入試では、問題文の漢字にルビをふったり、辞書の持ち込みを認めたり、特別入学枠をつくったりするなど、配慮を促していく方針だ。

 障害のある外国人の子どもは「二重のハンディを負っている存在」(文科省幹部)として、支援策を充実させる。具体的には、特別支援教育と、外国人の子ども向けの指導方法を合わせて学ぶ教員研修を初めて実施するほか、特別支援学校などに日本語指導の補助や通訳ができる職員の配置を進める。

 このほか、多言語翻訳システムの活用や、外国人の子どもが多い地域の学校の授業を通信回線をつなげて、少ない地域の学校と結ぶ「遠隔教育」の充実を図り、全国的に夜間中学の設置も促す。

 文科省の浮島智子副大臣は17日に開かれた検討チームの最終会議で、「多文化共生を進めるなど学校におけるきめ細かな指導態勢を構築し、さらなる就学促進策を充実させていく」と語った。(矢島大輔)

文部科学省がまとめた、外国人の子ども向けの主な支援

・就学状況の実態調査

・多言語による就学案内の徹底、就園ガイドの作成

・高校入試における配慮を促す

・特別支援学校などでも日本語指導補助や通訳ができる職員の配置

・多言語翻訳システムの活用や遠隔教育の充実