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 3年前の参院選の際、選挙権年齢の引き下げで初めて一票を手にした18、19歳に政治や選挙への疑問を聞き、識者に答えてもらった。あれから政治とのつきあい方は変わったのだろうか。同じ若者を訪ねてみた。

東洋大4年・山本幸輝さん

 故郷の福島県浪江町で暮らしていたころ、地元の政治家のなかに、町をよく知る人望が厚い人がいて、その人に憧れを持つこともありました。ただ一方で、私の周囲では政界を目指すことをあまり快く思わない風潮もありました。18歳選挙権が始まったとき、私はそれに疑問を持ちました。その思いは今も変わりません。

 政治には、街を変える力があると期待しています。東日本大震災で被災した地元は、住民が避難したことで活気を失ってしまい、荒れ地が広がって閑散としたままです。そんな地元を、もう一度、元気にしたい。

 そのために、まずはより多くの人に街の現状を知ってもらうことが大切だと思っています。月に1度くらいは大学の友人たちを地元に連れていきます。民間団体の視察で震災の記憶を話すこともあります。今年の春には、朝ご飯を振る舞う交流会を空き家で始めました。

 たくさんの人の意見を集めることが、活気を取り戻すきっかけになるかもしれない。多くの選択肢の中からベストなものを選ぶのが政治なのだと思うのです。

 政治をネガティブに捉える人がいても、仕方がないと思うようにもなりました。スポーツや音楽と一緒で、「必ず全員が興味を持て」というのも無理がある。むしろ今は、つながりあえる人を増やすことの方が大事だなと。

 浪江にはまだ復興需要があるけれど、いつかはそれもなくなるはずです。停滞した後にどうするのかを見据えた政策が大事だと思います。参院選の候補者も、この町だけでなく、福島の将来を見据えた政策を考えてほしいです。(鶴信吾)