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 スウェーデンのシンクタンク「ストックホルム国際平和研究所」(SIPRI)は17日、核保有国による核装備の現状をまとめた年次報告書を公表した。世界の核兵器の総数は減少する一方で、近代化が進む傾向が続いていると分析している。

 報告書によると、米ロ英仏中とインド、パキスタン、イスラエル、北朝鮮の計9カ国が持つ核弾頭は計約1万3865発で、昨年より600発減った。このうち、3750発は作戦部隊に配備され、2千発近くが使用可能な状態という。

 世界の核弾頭数が減ったのは、全体の9割以上を保有する米ロの削減が進んだためだ。しかし、米ロ間の新戦略兵器削減条約(新START)は2021年に期限を迎え、延長や後継の取り決めに関する協議は進んでいない。SIPRI核軍縮・軍備管理・核不拡散プログラムのシャノン・カイル部長は「政治的、軍事的な隔たりから、米ロが協議の上で核兵器を減らしていく見通しは一層立たなくなっている」と指摘する。

 報告書は米ロともに核弾頭や発射システム、製造施設の更新や近代化を進めていると指摘。北朝鮮については、軍事核計画を国家の安全保障戦略の中心に据えているとしている。(ロンドン=下司佳代子)