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 建設現場や工場、スーパーでは人手不足による働き手の高齢化が進み、転倒や転落といった労働災害をどう防ぐかが課題になっています。どう予兆を見つけるのか。どうすれば「私は大丈夫」という過信に陥らずにすむのか。対策に取り組む企業の現場を訪ねました。

 JFEスチール西日本製鉄所の倉敷地区(岡山県)では、2004年から全従業員に独自の体力テストを実施している。階段が入り組み、薄暗い場所もある製鉄所内で、安全に作業できるかを調べるためだ。

 A3の画板にペットボトルをのせて両手で持つと足元を見られない。この状態で幅10センチ、高さ5センチの平均台を5メートル歩けるか、座った状態から片足で立てるかなどを試す。

 5段階評価で「3」以上なら合格だ。「1」になると転倒リスクが高いとして運動指導を受ける。改善がみられないと、産業医の面談を経て、仕事の一部が制限されることがある。

 安全健康室の藤岡俊彦さん(62)は設備や作業の安全性をチェックするため、製鉄所内をパトロールする。直近のテストは「4」だったが、若い頃と比べると衰えを感じることもある。「暗さに慣れるのに時間がかかり、つまずくことが増えた気がします」

 16年からは、新しいテストを試験的に始めた。横浜国立大学の島圭介准教授や県立広島大学の島谷康司教授が開発した。

 島准教授によると、人は姿勢を保つために複数の感覚を使う。例えば、暗い場所では視覚に頼れない。体の傾きを把握する感覚、皮膚や筋肉を通じて手すりを認識する感覚など、状況によって頼る感覚を切り替える。切り替えがうまくできないと転びやすくなる。

 新テストはこの切り替えの柔軟性を評価する。体の重心を測るセンサーつきの台に立ち、手すりに触ったような刺激を得られる機器を指先につける。刺激を与え、目を閉じた状態で刺激を消す。その時のふらつきを測れば、転倒を避ける力の「立位年齢」がわかるのだという。

 16年以降、新テストを受けた約230人のうち65人が、従来のテストでは問題なかったのに「立位年齢」が実年齢より高く出た。この結果だけで就業制限はしない。データを蓄積し、従来のテストと組み合わせることで、より詳しい転倒リスクの評価を目指す。ヘルスサポートセンターの乍(ながら)智之さんは「個々に応じた効果的な運動指導に生かせる」と期待する。

高さ63メートルを疑似体験

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