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 イランの低濃縮ウランの保有量が今月27日に、核合意で定められた上限を超える。イラン原子力庁が17日、明らかにした。保有量の拡大は、イランが宣言した核合意の一部停止措置の一つ。7月上旬までに自国の原油取引の環境が改善されなければ、合意事項のさらなる停止に踏み切る考えで、合意当事国の英独仏などに圧力をかける狙いとみられる。

 トランプ米政権が核合意を離脱し、制裁を再開したことを受け、イランは先月8日、核合意の履行の一部停止を宣言した。60日以内に英独仏などが、イラン産の原油取引などで具体的な結果を示さなければ、無制限のウラン濃縮など、本格的な核開発の再開も辞さない姿勢を示している。

 イラン国営テレビによると、同庁の報道官は17日、「ウランの濃縮率を(核合意で定められた上限の)3・67%以上に高めるのはすぐにでも可能だ」とも述べ、揺さぶりをかけた。

 欧州側は、ドイツのマース外相と欧州連合(EU)の外交を担当する欧州対外活動庁のシュミット事務総長が今月中旬、相次いでイランを訪問。イランの経済的利益の確保に向け、努力していることを伝える。だが、イラン側は「行動ではなく欲しいのは結果だ」(イラン政府関係者)との姿勢で、7月上旬までに折り合えるかどうかの見通しは立っていない。(テヘラン=杉崎慎弥

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