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 17日に北陵と佐賀工の特別な試合が佐賀市のみどりの森県営球場であった。ベンチ入りがかなわなかったり、控えに回ったりする選手たちのための「引退試合」だ。選手たちのヘッドスライディングやファインプレーに、ベンチやスタンドからは盛んに声援と拍手が送られた。

 先攻の佐賀工が初回に1点を先制。しかし北陵は三回に3連打で逆転すると、八回にも2点を加えて5―1で勝った。

 普段は声を出してチームを盛り上げる北陵のムードメーカー・渡辺晃大選手。適時打を放って三塁ベースを踏むと、ベンチを見て右手を大きく突き上げた。左手は涙を拭っていた。

 佐賀工の主将を務めた下川春樹選手は、初回に安打を放ち先制点に貢献した。「ここぞというときの応援の大切さが分かった。夏は誰よりも大きな声で盛り上げたい」と話した。

 試合後は、みんな集まって記念撮影をした。お互いにたたえ合い、帽子を交換する選手もいた。

 北陵の吉丸信監督が、夏の大会に出られない3年生のために他県で行われていた「親善試合」を参考に始めた引退試合も、今年で9年目。「俺も大学時代補欠だったから、試合に出られない気持ちがよく分かる。活躍の場を与えられてよかった」と話した。(松岡大将)