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 3年前の参院選の際、選挙権年齢の引き下げで初めて一票を手にした18、19歳に政治や選挙への疑問を聞き、識者に答えてもらった。あれから政治とのつきあい方は変わったのだろうか。同じ若者を訪ねてみた。

会社員・積糾志さん(21歳)

 前回参院選は高校3年生でした。いまは卒業して働いています。自立のために大切なのは仕事です。バイクで通勤していたある日、スマホを見ながら運転している人の車と接触しそうになりました。もし、大けがをしていたら、働けなくなっていました。

 そんな経験から「ながら運転」は厳罰化されるべきだと考えました。でも、道路交通法の改正でも、刑は最高で懲役6カ月または10万円の罰金。自分が考えているより甘いものでした。交通事故から国民を守る気があるのか――。国会議員を疑ってしまいます。

 最近、友だちと政治の話をするようになりました。「自分の飲食店を持ちたい」「親の仕事を継ぐ」といった将来の目標を語るときに、特に話が弾みます。給与明細を見る立場になったことで、税金の使い道が気になるようになりました。政治に興味があると思われていたのか、「次の衆院選は誰に入れたらいいと思う」と、意見を求められることもあります。

 熊本県南阿蘇村に住んでいた2016年、熊本地震が起こり、炊き出しや物資の運搬など避難所の運営に走り回りました。3年前に紙面で尋ねた私のギモンは「災害時の政治の役割って何ですか」。当時は「多くの政治家に村を見て欲しい」とすがるような思いがありました。現状を知ってもらえれば、被災したふるさとも変わると信じていたのだと思います。

 今はもっと厳しく見るようになりました。有権者のウケが良くない話を避けてはいないか、国会で自分たちの意見が通らなくても良い対案を出しているのか、と。10代だった僕らに投票させたのは、若い人の意見を政治に採り入れるためでしょ。若い世代に関わる、年金や雇用の議論を避けることなく、選挙で語ってほしいです。(渋井玄人)