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 1954年に静岡県島田市で起きた幼女誘拐殺害事件(島田事件)で死刑が確定し、89年に再審無罪となった赤堀政夫さん(90)の釈放から今年で30年。赤堀さんの支援者や弁護士らが17日、冤罪(えんざい)のない社会の実現に向けた再審法制定・死刑廃止を求める「島田アピール」を山下貴司法相と安倍晋三首相に提出し、県庁で会見した。

 アピールには島田事件対策協議会ほか19団体と370人の賛同署名を添えた。再審裁判に関し、「すべての証拠開示」「再審請求人の三者協議への参加」「再審請求審における検察の新たな立証活動の禁止」「再審開始決定に対する検察の抗告・上告の禁止」の4点を求めた。また死刑制度の廃止や再審請求中の死刑執行の停止を求めている。

 対策協議会の笹沼弘志・静岡大教授(憲法学)は死刑廃止について「憲法は、残虐な刑罰を禁止し、何人も法律の手続きによらなければ生命・財産を奪われないと定めている」と強調した。河村正史弁護士は「冤罪をなくすには代用監獄の廃止と徹底した証拠開示が必要だ」と話した。

 会見の冒頭、5月に90歳の誕生日を迎えた赤堀さんの近況が映像で紹介された。名古屋市の自宅で撮影されたもので、支援者から祝われ、喜ぶ姿が映っている。赤堀さんは、静岡地裁で再審開始が決定した後、東京高裁で取り消された袴田巌さん(83)=浜松市中区=へのメッセージを求められ、「袴田さん、命を大切に」と書いた。(阿久沢悦子)