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 日本の小中学校の教員は他の先進国と比べて、仕事時間が最も長い一方、教員としての能力を上げるために用いている時間が最も短いことが19日、経済協力開発機構(OECD)の調査で分かった。文部科学省が目指す、「主体的・対話的で深い学び」の視点からの授業を実施している教員も他国より少なく、「勤務状況」と「授業内容」の双方に課題が浮かんだ。

 教員の長時間労働が問題となるなか、文科省は働き方改革を「待ったなしの課題」と位置づけている。また、小学校は2020年度から、中学校は21年度から新しい学習指導要領に基づく授業が始まり、教える内容や教え方も変革を迫られている。双方で課題が指摘されたことについて、文科省は「非常に深刻にとらえている。危機感を持って対応したい」としている。

 OECDが公表したのは、18年に実施した国際教員指導環境調査(TALIS)の結果。欧米を中心とした加盟国など、中学校は48カ国・地域、小学校は15カ国・地域が参加した。日本は13年に続く参加で、全国から抽出した国公私立小中393校の教員と校長に質問を送り、回答を得た。

 その結果、中学教員の1週間の仕事時間は56・0時間で、前回調査より2・1時間長く、平均の38・3時間を大きく上回った。ただ、内訳をみると授業時間は18・0時間で、平均の20・3時間より短かった。代わりに▽部活などの課外指導(7・5時間)▽事務業務(5・6時間)は参加国で最長だった。授業準備(8・5時間)も平均より長かった。小学教員は▽仕事時間(54・4時間)▽事務業務(5・2時間)に加え、授業準備(8・6時間)も参加国最長だった。

 一方、1週間で知識や専門性を高めるための「職能開発」に費やした時間は、小学で0・7時間、中学0・6時間。いずれも、参加国で最も短かった。

 授業内容についてみると、「明らかな解決法が存在しない課題を提示する」指導を頻繁にしているのは小学15・2%、中学16・1%で、中学は参加国平均の37・5%の半分未満だった。「批判的に考える必要がある課題を与える」は小学11・6%、中学12・6%で、どちらも参加国で最低だった。また、「課題や学級での活動にICT(情報通信技術)を活用させる」指導は、小学が24・4%、中学が17・9%(平均51・3%)だった。(矢島大輔)