[PR]

 「どんぐり山」と呼ばれる小さな森が、福岡市中央区の住宅街にある。

 灰色の雲が低く垂れ込めたある朝、その森で、1匹の犬が数人の男性たちに取り押さえられた。

 体は白く、首から上が茶色いメスの中型犬だった。

 車に乗せられていく様子を偶然見かけた工事現場の警備員が、車が立ち去った後、スマホをとりだして電話をかけた。

 「あの犬が、連れて行かれました」

 電話を受けた橘秀美さん(51)はお礼もそこそこに通話を終え、心当たりの番号を呼び出した。

 橘さんが、どんぐり山で最初にその犬を目にしたのは10年ほど前だった。当初は3匹ですみ着いていたが、いつしか2匹は見かけなくなった。

 1匹になった犬はいつもしっぽを下げていた。えさをあげようと近づいても、ほえることなく、山に逃げ込んだ。この1、2年は、やせ細り、坂道を駆け上がることもなくなった。

 ある晩、橘さんはその犬が山の…

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

980円で月300本まで有料記事を読めるお得なシンプルコースのお申し込みはこちら