[PR]

 サウジアラビア人記者ジャマル・カショギ氏が殺害された事件を調べていたカラマール国連特別報告者は19日、最終報告書を公表し、事件の責任はサウジ政府にあるとした。誰の指示かは明示していない。サウジで事実上国政を動かすムハンマド皇太子の関与について捜査が必要だとの認識を示し、独立した国際的な司法の枠組みに委ねるよう勧告した。

 カショギ氏は昨年10月、トルコ・イスタンブールのサウジ総領事館で殺害された。報告書は、トルコ当局の捜査へのサウジ側の協力が十分でなく、サウジ当局が遺体の所在を明らかにしないといった問題を指摘。皇太子については、カショギ氏に帰国を説得する当局者のグループをトルコに派遣することを了承したはずで、側近の関与も疑われるとした。直接の指示には触れていないが、皇太子個人の責任を捜査する理由があるとした。

 皇太子を含め関与が疑われるサウジの指導者やその資産を対象として、制裁を科すことも求めている。

 カラマール氏は1月下旬から1週間、トルコを訪問。トルコ当局のほか、各国の外交団などからも情報を得ている。サウジ政府は皇太子の関与を否定し、サウジ検察は殺害に直接関わったとされる5人に死刑を求刑している。

 サウジのジュベイル外務担当国務相は19日、ツイッターで、「報告書は明らかな矛盾と、根拠のない主張を含んでいる」と反発。「我々はサウジの指導者らを害したり、この事件を法の精神から除外したりするどのような試みも強く拒絶する」と訴えた。(ジュネーブ=吉武祐、ドバイ=高野裕介)