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 絶滅の恐れがあるニホンライチョウの骨やカイコの解剖模型――。岐阜大学が学内に眠る「お宝」を洗い出し、実物やデータを公開する「学術アーカイブ事業」に取り組んでいる。キャンパスには美術品などもあり、大学をまるごと博物館にする計画だ。

 岐阜大は今年、創立70周年。前身の県立師範学校や岐阜高等農林学校などの時代から膨大な資料が蓄積されてきた。だが、どこに何があるのかを一元的に把握する組織はなく、長年箱にしまわれたままの資料も。

 そこで70周年事業として、眠っている資料を整理した上で保存することに。「地域の財産として学内外で活用してもらうべきではないかと考えた」とアーカイブ事業のメンバーの一人、教育学部の須山知香准教授は言う。

 古文書や標本、美術品などの学術資源はどこにどんな状態で保管されているのか。2017年から調査に入った。中身が不明の段ボール箱を開けると、カモシカやタヌキなどの剝製(はくせい)が出てくることもあった。

 岐阜大にはかつて、国内唯一の家禽(かきん)畜産学科があり、ダチョウやインドクジャクなど世界中の鳥の卵の殻も収集、保管されていた。長良川河口堰(かこうぜき)の裁判についての資料や、高等農林学校時代に使われた害虫の解説図も。大学本部の壁は、陶芸家の2代目加藤春鼎(しゅんてい、1927~1995)が作った「陶壁」だった。

 これまでに、展示機能を兼ねた収蔵庫「アーカイブ・コア」を図書館に作り、動植物の標本や、大正から昭和初期に使われた全長約50センチのカイコの精密模型などを展示。ネット上には「デジタル・キャンパス・ミュージアム」(https://www1.gifu-u.ac.jp/~digicam/別ウインドウで開きます)を開き、学内の樹木や美術品を見られるようにした。

 アーカイブ事業は、まだまだ続く。事業メンバーの応用生物科学部の川窪伸光教授は「とりあえず整理できたのは4万5千点。全部整理するにはあと20~30年はかかるのでは」と話す。

 森脇久隆学長は「学術資源を学内全体で洗い出して再整理し、保存していくことは大学としての使命だと考えている」と語る。

 アーカイブ・コアは、今月は毎週水・木曜の正午~午後1時半に見学できる。事前申し込み不要で無料。問い合わせは岐阜大図書館総務係(058・293・2184)(山野拓郎)