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 3年前の参院選の際、選挙権年齢の引き下げで初めて一票を手にした18、19歳に政治や選挙への疑問を聞き、識者に答えてもらった。あれから政治とのつきあい方は変わったのだろうか。同じ若者を訪ねてみた。

徳島大4年・岡村英作さん

 3年前の紙面で、選挙区の合区によって地方の国会議員が減り、地方と都市の格差は広がるのではないか、と尋ねました。いまだに徳島と高知の合区は納得できていません。東端から西端までとても距離があります。それまでと比べ、候補者が移動するだけでも大変。有権者が演説という判断材料を得るうえではマイナスです。

 その記事をめぐって、自分が批判されていることを知りました。会ったこともない人が、インターネットのサイトで、僕を「無知な人物」として決めつける書き込みをしていました。大学の先輩がネット上で抗議をしてくれて収まりましたが、意思表示をすることの怖さを知りました。

 高校生のときに、安全保障関連法案に反対するデモに参加しました。道行く人から「うるさい」と言われたことがありましたが、怖くはありませんでした。それは相手の顔が見えたから。ネット上では自分が知らないところで批判され、誰かわからない人がそれを見ている。そんな不気味さがあります。

 それでも政治に関心がなくなったわけではありません。この春も、市議選の候補者の事務所でボランティアをしました。確かに「騒々しい」と思うこともありましたが、自分が車に乗ってマイクを握る側になると、有権者に伝えなければという気持ちも立場も分かりました。

 これからは社会がもっと多様化していくはず。手話通訳をしていた祖母の影響で、僕もいま点字の勉強をしています。参院選は、体の不自由な人やLGBTなどの性的少数者、外国人労働者の受け入れといった問題に関わる政策が前進する機会になってほしい。立場が違う人たちのことを考えられる社会で生きたい。そう思うからです。(渋井玄人)