[PR]

 3年前の参院選の際、選挙権年齢の引き下げで初めて一票を手にした18、19歳に政治や選挙への疑問を聞き、識者に答えてもらった。あれから政治とのつきあい方は変わったのだろうか。同じ若者を訪ねてみた。

写真・図版

派遣会社員・安部和音さん(21歳)

 地元福岡を離れて、金沢でIT系の仕事をしています。政治との距離はぶっちゃけ遠のきました。前は政治の討論番組とか好きだったんだけど、一人暮らしになってテレビがない。新聞もない。見るのはネットのトップニュースくらい。

 地元の短大へ進み、国立大の編入試験を受けようと頑張ってたんですが、2年生になって学校から足が遠のいて。部屋でゲームをしてたら、親にエアコンの電源コードをチョキンと切られた。知人に仕事を紹介されて昨夏、短大をやめて北陸に来たんです。

 これが超ブラックな会社で。正社員という話だったのにバイト。休みは2カ月に1日で、時給は600円くらい。「最低賃金、下回ってますよね」って社長に言ってみたけど、「仕方ないよなー」で終わりでした。IT系の資格を生かして今年1月に転職。今の会社は働きやすくて、土日も休みに。新たな資格をとる勉強をしています。

 政治に要望ですか。ブラック企業はなくしてほしいけど、経営のためにはブラックにならざるを得ない会社もあると思うんです。景気がよくなればいいというけど、バブルじゃ困るし。何かを得るには、何かを捨てないと。今の政治は若者を捨ててお年寄りを選んでますよね。それはそれで仕方がないかもと思う。お年寄りの方が投票率が高いから。

 3年前の紙面で、若者の投票率が低いこととゆとり教育は関係あるのか、という疑問をぶつけました。僕らの世代が、生活と政治がひも付いてる感覚が薄いからです。生まれる前から消費税はあったし、生活を直撃して国を二分する論争に触れることが少なかった。安保も生活からは遠いですよ。それより、身近にあるSNSに興味が向く。中国みたいにSNSが規制されるなら、みんな政治に目を向けるでしょうね。いやですけど。

 前回の参院選を含めてもう3回投票しました。投票はするもんだっていう感覚はあるんです。でも、今回はやばい。金沢に住民票を移してないので。投票しに行って、住民票を移してこようかな。(渡辺純子)