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 実刑判決の確定後、収容前に神奈川県愛川町の自宅から無職小林誠受刑者(43)が逃走した事件で、逃走に使われた黒色の乗用車が同県厚木市内で見つかったことが、神奈川県警への取材でわかった。小林受刑者の姿はなかったといい、横浜地検は公務執行妨害容疑で逮捕状を取り、県警などと行方を追っている。

 県警や地検によると、逃走に使われた黒色の乗用車は19日午後11時半ごろ、小林受刑者の自宅から約7キロ離れた同県厚木市三田のアパートの敷地内で、県警の捜査員が発見した。小林受刑者は同日午後1時半ごろ、横浜地検の職員4人と県警厚木署員2人が訪問した際に刃物を持ち出し、車で逃走。車は午後6時ごろ、東名高速道路下りの大和トンネル(同県大和市)付近を走行していたのが確認されていた。

 厚木署によると、小林受刑者は身長171センチ。逃走時は、白い帽子と白いTシャツ、ハーフパンツ姿だったという。

 小林受刑者は昨年9月、窃盗や傷害、覚醒剤取締法違反(使用)などの罪で横浜地裁小田原支部で実刑判決を受けた。控訴したが今年1月に東京高裁に棄却され、2月8日に判決が確定。保釈されていたため、検察が出頭を命じたが応じず、何度か自宅を訪問したが接触できていなかった。

 小林受刑者の車が見つかった現場付近では住民に不安が広がった。

 厚木市と愛川町の教育委員会は20日、両市町の小中学校計45校で登校を見合わせ、その後、休校と決めた。付近の一部の幼稚園も休園。両市町は保育園などに対し、散歩など園外活動をしないよう求めた。

 車が見つかったアパートは表通りから離れ、狭い路地が入り組んだ住宅密集地。近くに住む石井昭次さん(78)は「土地勘がないと、ここまで来ることはないと思う」。付近ではこの数年、空き巣の被害が多いという。小学3年と5年の息子2人が通学で現場付近を通るという会社員の男性(37)は「早く解決してほしい。このままだと明日もどうなるか。いまは家の玄関も窓も全部、鍵をかけています」と話した。

 近くの三田小学校では、敷地内に不審者がいないかを確認したり、教育委員会や保護者との連絡に追われたりした。柏柳洋子教頭は「とにかく子どもの安全を第一に考えたい」と慌ただしく話した。

 厚木市は市職員や消防職員らが市内をパトロールしたり、ごみ収集車約30台の運転手に小林受刑者の顔写真を持たせたりして、警戒を強めている。