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 第101回全国高校野球選手権宮崎大会は7月6日に開幕する。参加49チームは最後の調整に余念が無い。大会の見どころや注目選手について、県高野連の関係者4人に座談会形式で展望してもらった。(菊地洋行、高橋健人)

〈出席の皆さん〉

県高野連顧問 三原武博さん(元日向学院監督)

副理事長 児玉正剛さん(宮崎北監督)

理事 萱野浩介さん(延岡監督)

理事 友納惣一郎さん(高城部長)

Aパート

 ――Aパートには選抜大会に出場した日章学園、一昨年代表の聖心ウルスラが入りました。

 三原 日章学園の初戦は都城工。140キロ台の投手川野がおり、簡単にはいかない。日章学園は春以降、少しチームが下降気味なので難敵になるだろう。聖心ウルスラは投攻守にまとまりがあり、安定している。主な投手は3人、打線も粘り強い。

 児玉 日章学園が選抜に出た経験をどう生かすかだ。チームにガツガツとした貪欲(どんよく)さが無くなってしまったのが気になる。主将で4番の福山の活躍次第だろう。

 萱野 昨年は絶対的なエースがいた聖心ウルスラだが、今年は継投で戦うのではないか。飛び抜けた強さは感じないが、しぶといチーム。2年生の内は小柄だが、県選手権で138キロの球速が出ていた。変化球も良い。

 三原 打力のある延岡工と、投手二枚看板の延岡星雲の戦いは接戦が予想される。

 萱野 延岡工―延岡星雲は県選手権県北地区予選と同じ組み合わせ。この時は3―1で延岡星雲が勝った。打ち合いになったら延岡工、接戦なら延岡星雲とみる。

 三原 延岡星雲の西村、上杉の両投手がどれだけ踏ん張れるかだ。

 友納 都城泉ケ丘―都城西も同じ地区同士で接戦になるだろう。似たようなチームで、戦力も拮抗(きっこう)している。

 児玉 都城西がMRT招待野球でいいゲームをした。

 三原 日向学院―都城商の組み合わせも面白い。どちらも2年生主体でいい投手がいる。どちらが勝つかわからない。

 児玉 日向学院の捕手曽我は2年生ではナンバーワン。バッティングがよく、彼を抑えるボールがない。

Bパート

 ――Bパートの2回戦、日南学園―富島は昨夏の準決勝と同じ好カードになりました。

 児玉 昨夏は6―4で日南学園が勝利し、大会も制した。

 三原 日南学園はノーシードだが、力は十分にある。昨夏も活躍した投手庄田がしっかり抑えれば、打線はトップクラスだ。

 友納 毎年夏に照準を合わせた練習をするチーム。昨年もそうだった。

 児玉 走り込み、打ち込みなど過酷な中で練習を積み上げ、暑さに強い体づくりをしてきている。昨夏、熱中症で中断した試合が多い中、日南学園の選手たちは生き生きとしていた。

 三原 富島は主将松浦の活躍にかかっている。今大会ナンバーワンの遊撃手だ。

 児玉 高鍋―日南も面白い。「投の日南」対「打の高鍋」。日南は投手3人をそろえたが、監督はエース斎藤の立ち上がりを心配しているようだ。調子が上がる前に点を取られてしまうことがある。

 萱野 日南は投手2人と思っていたら、もう1人130キロ台の投手が出てきた。

 児玉 高鍋は2年生が主力。清水ら打撃のいい選手がそろった。4、5番に3年生の力のある選手がいる。右の比江島がどこまで投げるかだ。左の六車との継投になるだろう。

 三原 比江島の球速がいま一つ上がっていないのが気になる。140キロ近い直球を投げられるはずだ。上背があるから変化球も効く。日南、高鍋とも似たチームとみている。

 児玉 日南の選手は皆体が大きくなってきている。こつこつと体を作ってきた結果、打球が飛ぶし、速い。

 三原 県選手権でも日章学園の石嶋らの130キロ台後半の速球をぼんぼんと打ち返していた。

 児玉 延岡―佐土原も面白い。どっちに転ぶか分からない。佐土原の秋山は身長168センチと小柄だが、なかなかの投手。延岡は相当な覚悟をしてかからないと攻略できない。

 三原 秋山は今大会屈指の右腕。143キロを投げられるし、打撃もいい。

 萱野 秋山、長沼は昨年からのバッテリー。昨年優勝した日南学園を一番苦しめた。延岡は2年生主体のチーム。練習試合では秋山に苦しめられた。

 児玉 ただ、「自分1人で」と思うから後半バテることがある。連投は厳しそうだ。

 萱野 日向工―門川も近隣同士の対決となった。門川の坂本、迫田のバッテリーはAクラス。

 三原 迫田は強肩でバッティングもよく、捕手としてはトップクラス。長身の坂本は140キロ近い速球が魅力だ。

Cパート

 ――Cパートには今季で最後となる西都商がいます。

 児玉 春までは妻・(新)妻と合同チームだった。人数が少ないので1人あたりの練習量が多い。高校総体後に加わった選手がどれだけできるかだ。

 三原 佐々木典彦監督の下で、最後の夏を終われるのが良い。単独で出られて良かった。

 萱野 対戦する高千穂の右腕林は140キロに迫る球を投げる。

 児玉 宮崎工は二つくらい勝つと勢いづいて大会が面白くなる。主将でエースの湯浅はきっちり投げる力がある。

 萱野 初戦の延岡商には左の池田、右の佐々木らいい投手がいて攻撃力もある。最近、結果は出ていないが戦力はある。

 友納 昨夏、準々決勝で日南学園と渡り合った都城東は、やはり注目したい。有馬の重い球はなかなかのもの。インコースも攻めてくる。

 三原 2年生だが、公式戦で142キロの球を投げた。

 友納 昨夏、日南学園戦で6回まで0に封じた武藤は投手としての素質もあるが、スイングスピード、足の速さなど野手としての資質が高い。

 三原 都城東は初戦で宮崎学園の投手陣を攻略できるかだ。でないと、Cパートは大会屈指の左腕川島を擁する宮崎第一がすんなり上がりそうな雰囲気だ。左で常時140キロ投げられる投手はそういない。

Dパート

 ――Dパートは県央のチームが多く集まりました。

 三原 ノーシードながら延岡学園、鵬翔などの強豪がひしめく激戦パートだ。

 児玉 やはり直近の県選手権で優勝した宮崎日大が一歩リードしている。右の今田、左サイド気味に投げる一村、1年生から投げてきた日高太勢ら能力が高い投手がそろっている。

 三原 県選手権県央地区予選では宮崎北が鵬翔を2―1で破った。くしくも同じカードとなった。

 児玉 鵬翔の左腕岩切は上背はないが140キロ近い速球をきっちり投げる。県央地区予選では岩切が連投を避けるため先発せず、宮崎北が勝てた。宮崎北の投手陣が鵬翔打線をどこまで抑えるかが勝負の鍵になる。

 友納 小林西は優勝候補の一角。選手たちの意識も高くなって、九州大会に出た時に礼儀正しさやあいさつを心がけ、他県からも褒められるようになった。

 児玉 対戦相手の宮崎商も力をつけてきている。

 三原 小林西はエース鶴田次第だろう。加えて捕手高橋が攻守にどれだけ活躍できるかにかかっている。

 児玉 小林西が勝ち上がると鵬翔、宮崎日大と当たる可能性が高い。鶴田がどれだけふんばれるかだ。

 萱野 延岡学園は2年生主体のチーム。投手興梠はスピードも上がってきている。ドカンといく強打者は少ないが、こつこつと全員で攻める。

休養日を増設、給水も増やす

 ――投手の連投を避けるため、休養日が2、3回戦の終了後、準決勝終了後にも新たに設定されました。

 三原 日程の組み方がいい。この日程なら肩、ひじを休ませられるのでエース1人でも投げきれる。投手が2人いるにこしたことはないが。

 児玉 昨年までは準決勝前だけに休養日があるというぶっ通しの日程だった。投手だけでなく、野手も疲れがたまっていた。

 ――熱中症対策で給水タイムも増えました。

 児玉 五回終了後のグラウンド整備時間を長くしたほか、1イニングに10点以上入った時点で守備チームに給水タイム、延長戦、タイブレークに入る前にも給水タイムを設定しました。

 ――A~Dパート全体を見渡してどのような印象を持ちますか。

 三原 とびぬけた投手はいないが、140キロ前後の投手が30人ぐらいおり、どの学校にも速球投手がいる感じだ。全体のレベルが高いことが混戦、接戦の予想になっている。