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 22日は「らい予防法による被害者の名誉回復及び追悼の日」。県はハンセン病への正しい理解を広めようと、長崎市の長崎県美術館で、療養所入所者らの作品展を開催している。長崎出身の制作者の中には晩年、長崎名物のハタ揚げが縁で、故郷を取り戻した人がいた。

 県美術館の会場には、隔離政策の苦悩を抱えながらも制作に打ち込んだ静物画や祭りの一瞬を捉えた写真、木彫り彫刻、俳句などが並んでいる。女性や風景を油彩で描いた絵画5点を制作したのは、長崎市出身の風見治(かざみおさむ)さんだ。

 小学5年で発症し、20歳のころ熊本県合志市の菊池恵楓園に入所。30歳で鹿児島県鹿屋市の星塚敬愛園に移った。療養所で文学や絵画の創作活動を続け、昨年7月、85年の生涯を閉じた。

 風見さんの絵画は、長崎市風頭町の老舗ハタ店「小川凧(はた)店」にもある。天井一杯ハタで埋め尽くされた店内に飾られた5点は、風頭町の麦畑や坂道を描いたものだ。

 「幼少期、ハタ揚げが好きで落ちたハタを追いかけて麦畑に入っては怒られたそうです。恋しいふるさとを目をつぶって思い出して描いたのでしょう」。3代目店主の小川暁博さん(69)が説明してくれた。

 小川さんと風見さんの出会いは…

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