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 エフエム東京が中心となって進めてきた、ラジオをデジタルで放送する新事業が不振だ。音質がよく、映像なども楽しめる「新しいラジオ」として2016年に始まったが、対応端末が市販されていないなど、普及どころか撤退もささやかれる状況。ラジオ復活の起爆剤として一時業界が注目した事業が岐路に立たされている。

 エフエム東京は、現在混乱のさなかにある。「会計上・内部統制上の問題があった」として、5月末予定の決算発表を延期。第三者委員会を設置して調査中だ。同時に、社長と会長を含む常務以上の6人全員が一斉にその役職を退く人事案を公表したのだ。

 同社は詳細を明らかにしていないが、複数の関係者によると、債務を背負ったデジタル放送の関連会社を、同社が意図的に決算の連結対象から外す操作をした疑いがあるという。役員の一斉退任はそうした疑惑に加え「不振のデジタル放送事業の責任を取ったものだ」(同社関係者)との見方も広がる。

 ラジオをデジタル化する事業は、01年に構想が浮上。当初は業界の全面的な乗り換えが検討され、注目を集めたが、多額の設備投資が足かせとなり頓挫。そんな中、エフエム東京は系列局などと準備を進め、設備投資174億円の事業計画を立て、i(アイ)―dio(ディオ)の名称で16年に東京や大阪などで開始。今は北海道から福岡までの大都市周辺などで聞ける。高音質な上に、文字情報や映像も楽しめる「テレビでもラジオでもない『第3の放送』」を売りにした。

 ただ、同社によると、利用に必要な液晶画面が付いた対応端末や、スマートフォン用のチューナーは、メーカーに商品化を働きかけているものの、現在市販されていない。放送にもかかわらず、現状では、スマホのアプリをダウンロードし、ネット回線を使って利用するというねじれが生じている。当初の計画では今年3月末までに全国で195の電波の送信所を置く予定だったが、現在1割にとどまる。開局から3年を迎えるが、同社は「今は投資に見合った収入はない」と認める。

 立命館大学の飯田豊准教授(メ…

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