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 「明日も頑張って勝とうな」

 「おー!」

 響・豊北・下関北(いずれも山口県下関市)の連合チームのある日のグループLINE。

 「明日は9時からアップ開始。雨天の場合は12時まで練習」。練習メニューや練習試合の日程など、竹内利之監督からの連絡や指示も、主将や副主将を通じてグループLINEで共有されている。

 「つながっている感覚があるので、寂しくなんかないです」。3校連合のエースで、響の森口大和君(3年)は話す。

 響(下関市豊浦町小串)から約20キロ離れた下関北(同市豊北町滝部)と、校舎が同じ豊北のグラウンドに通うようになって11カ月。統廃合により練習環境が厳しいチームには山口県教委が費用負担してタクシーを使うことが出来る。だが、平日の練習は授業が終わった後に駆けつけるため、それでも毎回30分は遅れてしまう。3校の距離と時間をつなぐのが、LINEなどのSNSというわけだ。

 響と豊北は生徒数の減少などによる統合のため、2018年度から募集を停止。統合後のこの年に出来た下関北の野球部には1、2年生14人が在籍する。3年生の野球部員が森口君を含め響に3人、豊北に12人いる。

 部員不足から、これまで他校と連合チームを組んで出場することが多かった響。連合を組む相手も毎年のように変わった。

 森口君が1年生の夏の山口大会は響単独で出場したが、大会終了後に3年生が引退すると、山口徳佐と連合チームを結成した。ただ、「統廃合する学校同士で連合チームを組む」という日本高校野球連盟の規定があるため、山口徳佐との練習は翌18年、2年生の春まで。その年の夏の大会は、下関北と2校で連合を組んだ。今年の夏は、同じく部員不足になった豊北を加え、3校での合同チームで出場する。昨年の夏の大会後に一緒に練習を始めた。

 「慣れっこなので大丈夫」と口にする森口君だが、それでも新チーム結成当初はやりにくかった。森口君ら響の3人は練習後は自宅に帰るため、すぐにJR山陰線の最寄り駅までタクシーで向かわなければならない。グラウンドで練習する以外、ほとんど話す時間がなかった。

 選手同士をつないだのがSNS。LINEやツイッター、インスタグラムでフォローし合った。試合中にマネジャーや保護者に撮ってもらった写真を森口君が投稿すれば、豊北や下関北の部員が「いいね」ボタンを押して「共感」してくれる。山口徳佐の選手とは今でもSNS上の友達だ。

 「いろんな仲間と野球ができたことは連合チームだったおかげ。自分の財産になった」。山口大会で、森口君は自身初の夏の勝利を目指す。(藤牧幸一)