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 「チーム内で競争がない」「下級生チームを作れない」……。朝日新聞が今夏の群馬大会に出場する全67校に行ったアンケートに、半数弱の30人の監督が「部員不足を感じる」と回答した。群馬県内の硬式野球部の部員数はこの4年間で約340人、1割減少した。多くの野球関係者が恐れていた“野球離れ”が現実の数字に表れようとしている。

 部員が100人を超えるような学校がある一方、今大会は昨年より2校多い8校が人数不足から連合チームで出場するなど、「2極化」も進む。

 県のまとめによると、ここ30年で最も生徒数(全日制)が多かったのは1990年度の約8万8千人。県高校野球連盟によると、当時の部員数は約2400人、加盟校数は60校だった。

 生徒数は減少しても野球部員数は伸び、2005~17年度ごろには2800~2900人台で推移。加盟校数は06年度の72校、部員数は15年度の2965人がピークだった。ところが、この数年は部員数は減り続け、今年5月末現在で2623人だった。

 大会への出場自体が危うくなる学校も少なくない。

 下仁田、板倉とチームを組む松井田は創部以来初めて、今夏の大会に連合チームで出場する。3年生はおらず、選手は1、2年生の計7人。昨秋と今春の県大会には榛名と富岡実も加えた5校連合で出場した。学校の規模自体も小さく、一学年の男子生徒は40人程度しかいない。

 監督の深沢大介教諭(28)は少子化の影響に加えて、「強豪校に野球を続ける子どもが集中している」と話す。地元のJR信越線松井田駅からは高崎駅まで電車で約30分。地元の球児たちの多くが高崎方面の学校に流出しているという。

 選手一人ひとりに多くの時間を割いて指導できる半面、「一度でも連合チームになってしまうと、中学生に敬遠されてしまう」(深沢教諭)と強い危機感がある。主将の飯塚駿介君(2年)は「自分たちが一生懸命プレーする姿を見てもらって、来年はなんとか単独出場を」と力を込める。

 夏の大会後に3年生が抜け、選手が9人を割る学校はさらに増える。藤岡北は1、2年生で計5人になる見通しだ。今年監督に就いた神田直輝教諭(31)は、野球経験のある他部の助っ人らの力を借りて、秋以降も単独出場をめざすつもりだという。

 ただ、長期的なチーム作りを考えると、より多くの生徒が野球部に入りやすい環境をつくる必要を感じている。用具代や部費を賄うためにアルバイトを可能にしたり、今は部員たちが自主的にやっている丸刈りをやめたりすることを考えている。「積極的に選んでもらえる野球部に変えていきたい。適度な競争も生みたい」と神田教諭は話す。

 野球人口の裾野を広げようと、県高野連も野球経験のない子どもたちへのアプローチを進める。低年齢でも楽しめる野球に似た「ティーボール」の教室を昨年から約20回開き、球児たちが指導しながら園児や小学校低学年の子どもたちと交流した。城田雅人理事長(54)は言う。「これからも継続していくことが大切。時間はかかっても、将来に生きてくるはず」(森岡航平)