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 1910~11年に起きた思想弾圧事件の「大逆事件」で無実の連座をし、獄中自死した真宗大谷派僧侶、高木顕明(1864~1914)をしのぶ遠松忌法要が22日、高木が住職をしていた和歌山県新宮市大橋通4丁目の浄泉寺で営まれた。

 事件のさなかに高木を処分して宗門から追放し、96年になってようやく名誉を回復した真宗大谷派が、その反省をもとに2000年から毎年、催している。同派解放運動推進本部の関係者や門徒、市民ら約150人が参列し、高木が望んだ「非戦」「平等」への思いを新たにした。

 法要後、事件をテーマに執筆活動を続けているノンフィクション作家の田中伸尚さんが「熊野『大逆事件』過去から未来へ」の題で法話をし、「『思想の自由』を抹殺した国家を問い続けるにはどうしたらいいか、亡くなった人を顕彰するだけでいいのか。熊野新宮はずば抜けて被害者の『復権』運動が進んでいるが、全く進んでいない地域を忘れていいのか」と参列者に問いかけた。(東孝司)