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 特定の民族や人種を侮辱したり、地域から追い出そうとしたりするヘイトスピーチを規制しようと、川崎市は24日、違反者への刑事罰を盛り込んだ条例の素案を市議会に提示した。違反を3回重ねた場合、50万円以下の罰金とする。市によると、ヘイトスピーチに刑事罰を科すと定めた自治体はこれまでなく、全国初になるという。

 市がこの日、「差別のない人権尊重のまちづくり条例」(仮称)の素案を明らかにした。

 市内の公共の場でヘイトスピーチをしたり、させたりすることを禁じたうえで、違反があった場合、市長は①違反行為をやめるように勧告②2回目の違反をした者に、やめるよう命令③3回目の違反をした者の氏名や団体名などを公表し、市が被害者に代わって検察庁か警察に告発する。

 罰金を科すべきかどうかを司法手続きに乗せ、裁判所などの判断に委ねる仕組みだ。市幹部は「憲法が保障する『表現の自由』に留意する必要がある。ヘイトスピーチかどうかを行政が恣意(しい)的に決めないようにすべきだ」と説明している。

 市長は勧告や命令の前には、有識者でつくる「差別防止対策等審査会」の意見を聴く。審査会は違反者に文書で意見を述べる機会を与えることができる。

 ヘイトスピーチは2013年ごろから、東京・新大久保や大阪・鶴橋などで激化。川崎市でも公園を利用した集会やデモが繰り返された。16年にはヘイトスピーチ対策法が成立したが、罰則はなく、市は18年、ヘイトスピーチの恐れがあれば公園など公的施設の利用を拒めるガイドライン(指針)を、全国で初めて施行した。市によると、対策法施行後、市内ではヘイトスピーチは確認されていないものの、市幹部は「今後もヘイトスピーチが起きる可能性がある。抑止するためには罰則付き条例が必要だ」と語る。

 市は素案について今夏、パブリックコメントを実施し、12月議会に条例案を提出する方針。罰則を含め、来年7月に全面施行したい考えだ。(斎藤茂洋)

■相次ぐ自治体の規制、試される…

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