野球帽にジャンパー姿がトレードマーク。ジャニー喜多川さんに劇場で初めてあいさつしたのは20年ほど前だ。シャイで物腰が柔らかく、言葉づかいはいつも丁寧。社長然とした威圧感や偉ぶったところをまったく感じさせない人だった。

 プロデューサー、演出家として、自分は「裏方」だという意識は徹底していた。舞台稽古の合間、劇場のロビーの隅で、報道陣に自らお茶を配っていたこともある。ジャニーさんだと気づいていないメディアも多かった。

 原石を見抜く力は天才的と言われたが、ネットなどで今ほど顔が知られていない頃は、オーディションでも子どもたちに最初は自分が何者か気づかれないようにしていた。途中で正体を明かして反応を見る。目の前の「おじさん」がジャニーさんであるとわかって急に態度を変えるようではダメだ、と。地位や人の顔をうかがうことを嫌った。

 たとえば、TOKIOの松岡昌…

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