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 外出先で、観光地で、借りた場所にわざわざ戻らなくても使える自転車があったら……。そんな望みをかなえる「コミュニティーサイクル(シェアサイクル)」というサービスが全国で広がっている。

 国土交通省の調べでは、2018年3月末でサービスを導入する自治体は135。この5年間で2.5倍に増えた。さらに「多くの自治体が導入を検討している」(担当者)。

 大阪市では、東京都内などでシェアサイクルを手がけるドコモ・バイクシェアがサービスを始めた。料金は最初の30分が162円(税込み)で、1日乗り放題1500円のプランなどもある。市内ではすでに11年から、NPO法人「Homedoor(ホームドア)」がシェアサイクル「HUBchari(ハブチャリ)」を展開。これはドコモがしくみを提供していたもので、ドコモ運営のシェアサイクルと互いに使えるようになった。市内を中心に自転車の貸し借りができる拠点(ポート)は、ドコモとホームドアで計135カ所(約670台)。ホームドアの川口加奈理事長は「活用できる範囲が確実に広がった」と話す。

 昨年起きた大阪北部地震では、「HELLO CYCLING(ハロー・サイクリング)」が大阪市や兵庫県内で自転車を無料で貸し出した。「医療従事者や物資輸送手段としての活用も検討したい」(同社)と緊急時の足としても注目され始めている。

 ただ、サービスが広がるなか、大津市では中国企業がシェアサイクル開始からわずか約半年で撤退。フリーマーケットアプリ大手のメルカリが福岡市で展開していた「メルチャリ」も、事業譲渡を公表した。運営側にとっては、使いやすい場所を確保して、いかに利用してもらえるかが課題となりそうだ。(金井和之)

 メモ コミュニティーサイクルは、特定の地域内にいくつもの自転車貸し出し拠点(ポート)を備え、利用者はどのポートからでも借りたり、返却したりできるシステム。分単位で借りることができる。環境負荷を低減し、交通渋滞を緩和することなどの観点から注目されている。

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