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(24日、高校野球北北海道大会 帯広北5―1鹿追)

 四回表、逆転を許した鹿追は2死満塁のピンチが続いていた。マウンドに集まる選手たちのもとに、ベンチから伝令の木村将吾選手(3年)が駆け寄る。

 「空を見て、いい天気だな」。みんなが顔を見上げた瞬間、すかさず、何かをつかむしぐさをして、お決まりのギャグ。「空から猫が下りてきた、キャッツ」。みんなの笑顔がはじけた。木村選手は練習中にギャグを言うことも多い、盛り上げ役のような存在だ。

 鹿追は地元出身者がほとんどだが、木村選手は神戸市出身。小学生の時に山村留学していた鹿追町を進学先に選び、寮生活をしている。「道外から来た自分を、みんなすぐに受け入れてくれた」。ワイワイ会話しながらの部活が楽しかったという。

 4点を追う九回裏、2死二塁の場面で代打として打席に。二ゴロで終わったが、一塁ベースに頭から飛び込んだ。試合後、木村選手に涙はなかった。「みんなと楽しく野球が出来て、鹿追に来てよかった。みんなにありがとうを言いたいです」。(中沢滋人)