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 24日は南・北北海道の5地区で18試合があった。札幌地区では北星大付が野幌に五回コールド勝ちし、古谷龍之介投手(3年)が参考記録ながら無安打無得点試合を達成。許した走者は四球の1人だけだった。北見地区では北見柏陽が九回裏に3点を挙げ、網走桂陽に逆転サヨナラ勝ち。この日は計6本塁打が飛び出し、延長戦も2試合あった。25日は旭川、釧根の両地区が開幕する。

病乗り越え 選手支えた

 「勝たせられなくてごめん」。試合後、敗れて泣きじゃくるとわの森三愛の選手たちに、マネジャーの大門宏輔君(3年)は「よく頑張ったよ」と目を潤ませながら声を掛けた。

 大門君は中3の秋、慢性骨髄性白血病と診断された。「生きるために、野球は諦めて欲しい」。医師と親の言葉に、耳を疑った。中学の野球部では中軸で活躍。とわの森三愛の体験入部で八木啓太監督に声をかけられ、入学を決めた矢先だった。ショックで、「しばらく無気力でした」

 救ったのは脳腫瘍(しゅよう)を克服し、プロ野球のオリックスで活躍する山崎福也選手。病気に負けずに夢をつかんだ姿を動画で見て、大好きな野球に関わり続けるという自分の夢を思い出した。薬が効き、約2カ月で退院。「マネジャーとして入部したい」。八木監督にそう申し出た。

 最初は楽しそうに練習する選手たちがうらやましかった。けれど、選手経験を生かしてノックを打ったり、試合中に指示を出したりする大門君は、次第にチームに欠かせない存在になっていった。大門君も厳しい練習をする選手たちの姿に励まされた。

 この日も、大門君はベンチから選手たちを見守った。七回裏、片桐慶弥選手(3年)がチーム初安打を放つと、それまで冷静にスコアをつけていた大門君も、思わず笑顔でガッツポーズを作った。

 治療は順調で完治も近いが、卒業後は野球から遠ざかるつもりでいた。だが今は「負けたまま終わりたくない」と、卒業後もマネジャーをやろうと思っている。大門君は「支えるつもりが、いつもみんなに支えてもらっていた」と笑顔で選手たちをねぎらった。「大門と一緒に野球がしたかった」。選手たちは涙が止まらなかった。(遠藤美波)