日本海側の大寒波「温暖化が影響」 三重大、今後も懸念

木村俊介
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 北日本から西日本にかけて日本海側で起きた2018年2月の大雪など17~18年の大寒波は、米アラスカ周辺に暖気が入ったために北極の寒波が押し出される形で日本などの上空を覆ったことが原因とする論文を、三重大などのチームが発表した。「地球の温暖化によって気候の振れ幅が大きくなっている。今後、超暖冬になったり、超寒波が来たりするかもしれない」と指摘している。

 三重大の立花義裕教授(気象学)らのチームは、17~18年の大寒波の際、米国のアラスカ周辺で氷が減っていたことから気象データを確認。ベーリング海峡に暖気が入り込み、通常は北極周辺にある寒気が南下し、アジアや北米を覆っていたことを突き止めた。コンピューターによるシミュレーションでも状況を再現できたという。

 「温暖化の影響でアラスカ周辺が暖かくなる反動で、北極の寒気が日本や北米を覆った」と立花教授。今後、より強い寒波が来る可能性があるといい「温室効果ガスの削減といった温暖化対策は急務。さらに、温暖化対策の一環として豪雪や寒波の対策も必要になる」と話している。

 論文は電子版の英科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」に掲載された。ウェブサイト(https://www.nature.com/articles/s41598-019-41682-4別ウインドウで開きます)で論文を読むことができる。(木村俊介)

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