日産新体制案、株主総会で可決 業務執行と監督を分割
日産自動車は25日、横浜市内で定時株主総会を開き、ガバナンス(企業統治)改革に向けて社外取締役の権限を強める「指名委員会等設置会社」に移行するための定款変更や、取締役11人の選任など3議案をいずれも賛成多数で可決した。筆頭株主の仏ルノーは総会直前に定款変更議案への投票を棄権する意向を示したが、日産がルノーに譲歩して打診した人事案の修正を受け入れ、棄権の意向を撤回した。
議案の可決を受け、総会後に新体制に移行する。カルロス・ゴーン前会長の不正を許してきたガバナンスを立て直すため、現行の監査役会設置会社から、業務の執行と監督を明確に分ける指名委員会等設置会社に会社の形態を変える。
西川(さいかわ)広人社長兼CEO(最高経営責任者)は「(前会長らの)重大な不正などについて、株主の皆様に大変ご心配をかけた。深くおわび申し上げたい。きょう、指名委員会等設置会社に移行するという大きな節目を迎えた。経営レベルでのガバナンス改革を迅速に進めていきたい」と陳謝。役員全員が起立して頭を下げた。
指名委員会等設置会社への移行に伴い、役員人事や報酬を決める「指名」「監査」「報酬」の3委員会を新設する。3委員会ともにメンバーの過半数を社外取締役とし、各委員長も社外取締役を充てて、外部の目による経営の監視機能を強める。
新たな取締役会は11人で構成し、社外取締役を3人から7人に増やす。ルノーのティエリー・ボロレCEOが取締役に新任され、ルノー出身の取締役はジャンドミニク・スナール会長とボロレ氏の2人となった。取締役会議長に石油元売り最大手JXTGホールディングス相談役の木村康氏、取締役会副議長にはルノーのジャンドミニク・スナール会長を充てる予定で、総会後に正式に決める。
ルノー側は、当初の人事案で…