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 教育系出版社「中央出版」(名古屋市名東区)の創業者で、2014年に死去した元会長の前田亨氏の長男ら遺族が名古屋国税局の税務調査を受け、相続財産について約100億円の申告漏れを指摘されたことが分かった。過少申告加算税を含む追徴課税は約60億円。遺族はこの課税処分を不服とし、名古屋国税不服審判所に審査請求した。

 長男は取材に「相続税の申告で国税局の調査を受け、一部に見解の相違があり更正処分を受けたが申告は適正と認識している。既に不服申し立ての手続きをした」とコメントした。

 関係者によると、長男らは14年、中央出版などの親会社の中央出版ホールディングス(非上場)の株式などを相続した。

 相続税法では時価がわからない株は「財産評価基本通達」に基づいて評価する。非上場会社の株の場合、事業内容が似ている上場企業の株価などから算出する。長男らは通達に沿ってこの株について1株あたり18円として税務署に申告した。

 これに対し、国税局は「通達通りに評価すると(相続税などが)極端に低額となり、著しく不適当」と判断。国税庁長官の指示で財産を再評価できるとする特例的措置を使い、第三者機関に鑑定を依頼した。1株の価値は55円と認定し、親族には約130億円の申告漏れを指摘した。

 遺族はこの課税処分を不服として、国税に再調査を請求した。最終的に名古屋国税局は1株の価値を45円程度として、遺族に約100億円の申告漏れを指摘し、約60億円の追徴課税を求めた。遺族は現在、課税の取り消しを求めて名古屋国税不服審判所に審査請求している。

 中央出版は1972年の創業。教材出版や教室運営事業などを全国展開している。(村上潤治、大野晴香)