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 日産自動車が25日に開いた定時株主総会で、西川広人社長兼CEO(最高経営責任者)は「元会長らの重大な不正などについて、株主の皆様に大変、ご心配をかけた。深くおわび申し上げたい」と陳謝した。

 さらに「これらの問題を深く受け止め、あらゆる業務で法令順守意識の醸成と徹底を図る。きょう、指名委員会等設置会社に移行するという大きな節目を迎えた。経営レベルでのガバナンス(企業統治)改革を迅速に進めていきたい」と述べた。

 西川氏は自らの責任問題にもふれた。「きょうで新たな体制になる。私にとっても取るべき責任、果たすべき責任・責務で大きな節目を迎えたと考えている。指名委員会のもと、その後のことも考えないといけない。後継体制の検討と準備、そして次の段階への移行は喫緊の課題として、指名委員会のリーダーシップで進めてほしい」と話した。

 また、筆頭株主の仏ルノーとの提携関係について、両社の関係見直しや将来像についてルノーのジャンドミニク・スナール会長と検討する場を持つ意向も明らかにした。ルノーが日産との経営統合を求めていたのに対し、西川氏はこれまで、「業績回復が最優先」と提携見直しの議論は先送りする方針を示していた。

 西川氏は「議論を先送りにすることでかえって方向性、考え方の違いが臆測をよんで共同活動、業績回復への影響を与える懸念がある。その意味で、両社の関係、将来像について、ルノーと検討の場を持つのは大事。スナールさんと議論を進めていきたい」と述べた。

 質疑応答では株主から「ルノーとの関係は平等とは思えない。日産も(ルノーと)統合したら日産のブランドが落ちる。ルノーと平等な関係になったら話し合いを進めればいい」との発言があり、会場で拍手がわいた。西川氏はこれに対し、「経営統合がいいとは私も思っていない」と答えた。

 また西川氏は、「ルノーとそれぞれ独立企業としての意思決定を尊重してきた。自立性を保ちながら協力関係を保つことが一番大事だ。その点にはスナールさんと私の間で意見の相違はないと思っている」と説明。「必要ならば、資本関係の見直しをやる。スナールさんに話をしたいと思うが、まずアライアンス(提携)でウィンウィンの関係を大事にしたい」とまずは提携関係の安定化を図る考えを強調した。

 4月に日産取締役に就任したルノーのジャンドミニク・スナール会長も登壇。「日産との提携関係は思ったよりも悪い状態だった」と指摘し、「できるかぎりのことをした。例えば日産会長になることもあきらめた。日産の誇りを重んじた」と株主に対して理解を求めた。そのうえで、3社連合を統括する新組織「アライアンス・オペレーティング・ボード」を提案し、自ら議長に就いたことを説明した。

 さらにスナール氏は「(ルノーが日産に43%を出資し、日産がルノーに15%を出資する)持ち株比率の違いを利用していない。経営統合については何カ月も話は出ていたが、これも変わっていない」と述べ、提携関係は当面、維持される見通しだ。ただ「将来、取締役会でこの合併を検討する権利はある」と含みを残した。欧州自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)とルノーとの経営統合に向けた協議については、「中止している」とした。