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 1998年に脳内出血に倒れて以来、療養を続けている歌舞伎役者・澤村藤十郎さん。女形として活躍するだけでなく、「こんぴら歌舞伎」や「出雲阿国歌舞伎」など、各地で観客掘り起こしにつながる企画に携わったプロデューサー的手腕の持ち主です。その一つが、78年に結成された、関西の歌舞伎公演を応援する民間団体「関西で歌舞伎を育てる会(現在の関西・歌舞伎を愛する会)」です。会結成40周年を記念する公演が7月、大阪で開かれるのを前に、お話をうかがいました。

 東京の役者である藤十郎さんが会の設立に関わったのは、77年5月、大阪・新歌舞伎座での「大阪顔見世(かおみせ)大歌舞伎」への出演がきっかけだった。自身と兄・澤村宗十郎さんの襲名披露興行だったが、観客は「少ないなんてもんじゃなかった」。9回続いた新歌舞伎座での「顔見世」はこれが最後に。「会社が1個つぶれたのと同じじゃないですか。だから、奮起しちゃった」

 ひいき客の紹介で会った、大阪の民間労働組合の幹部に「歌舞伎にお客さんが来るようにして下さい」と、支援を依頼。30代半ばだった藤十郎さんの熱が、作家の小松左京さんら文化人、行政や経済界も巻き込む大きな動きになった。

 第1回公演は、今はなき大阪・…

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