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 千葉県野田市の小学4年、栗原心愛(みあ)さん(当時10)が虐待死したとされる事件で、傷害幇助(ほうじょ)罪に問われた母親のなぎさ被告(32)に対し、千葉地裁は26日、懲役2年6カ月保護観察付き執行猶予5年(求刑懲役2年)の判決を言い渡した。

 なぎさ被告は白いシャツ姿で、髪を後ろで一つに束ね、うつむきがちに判決を聞いた。

 判決後、小池健治裁判長は「刑務所に入れることも真剣に考えたが、夫への抵抗が難しかった面を考慮した」と執行猶予の理由をかみ砕いて説明した。さらに「心愛ちゃんにしたことを振り返り、社会の中で反省の日々を送ってほしい」と語りかけた。被告は小さな声で「はい」と答え、目に涙を浮かべながら退廷した。

 判決について元裁判官の水野智幸・法政大法科大学院教授(刑事法)は「本来子どもを守るべき母親の関与が小さくないことを重くみた判決」と分析。「夫の影響下にあったことと、供述で真相がかなり明らかになったことを考えれば、執行猶予を付けたことは妥当だ」と話した。

 一方、DV問題に詳しい後藤弘子・千葉大大学院教授(刑事法)は「DVの影響が正面から認定されていない」と指摘する。「母親は精神的に脆弱(ぜいじゃく)だが、その原因も夫の暴力。彼女の精神面や迎合しやすい性格が強調され、夫の加害者性が薄まっているのではないか」と述べた。(松本江里加)