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 29日に開幕する第101回全国高校野球選手権愛知大会に、2チームが初めて参加する。今春新しく学校ができた新城有教館(新城市)と、野球部が発足したばかりの五条(あま市)だ。ともに県立で、1年生のみのフレッシュなチームで大会に臨む。

新城有教館「学校の顔に」

 「ダッシュで行け!」

 「はい!」

 新城有教館の練習場。杉浦聡監督(36)の声に、選手が元気よく答え、ホーム側から外野の守備位置まで全力疾走した。初戦が大会初日の第一試合(一宮球場)に決まり、練習も熱を帯びている。

 新城有教館は、今年度から募集を停止した新城と新城東の2校が統合して、4月に開校した。部員は選手11人とマネジャー1人の計12人。全員が新1年生だ。

 エースの菅谷太一君(1年)は「野球部を有教館の顔にしたい」と意気込む。新しい学校を盛り上げようと、4月中旬から1カ月、部員全員で毎朝昇降口などに立ち、登校する生徒や職員に大きな声であいさつをしたという。練習試合で対戦した相手が学校名を読めなかったこともあるといい、「僕たちが活躍することで有教館の名前を知ってもらえたら」。

 校舎の整備の都合で、新城有教館の生徒は今年度、新城東の校舎で授業や課外活動をしている。野球部の練習も、新城東の野球部と時間をずらして野球場を使う。練習は別だが、練習道具を借りたり礼儀作法や伝統を見習ったりと、「先輩」から学ぶことが多いという。新城東の夏目羽琉(はる)主将(3年)は、「チームは違うけれど、関係は同じチームの後輩と変わらない。大会ではあきらめない姿勢を有教館の選手にも見せて、新城東の名前を歴史に残したい」と話す。

五条「まず1点を」

 五条は今年4月、1972年の開校以来初めての硬式野球部ができた。

 橋本敏弘校長(56)によると、地元中学校や近隣市の教育委員会から要望を受けるなどし、「文武両道をさらに強めたい」と昨年秋に新設を決めたという。自らも野球経験がある橋本校長は、「生徒の進路実現が第一なのは変わらない。時代の変化にあわせて、生徒にとって部活動で得られる経験も重要になる」と歓迎する。

 1期生の部員は16人。野球部の新設が進学のきっかけの一つという松原充君(1年)は、「プレーについて気軽に教え合える、いい雰囲気」と話す。

 練習環境はまだ整っていないが、他の部活動に配慮して学校外の一般のグラウンドを使ったり、ソフトボール部の防球ネットを借りたりしているという。初戦は30日、小牧市民球場で岡崎東と戦う。高柳亘佑(こうすけ)主将(同)は「まず1点を取りにいくことが次につながる。緊張すると思うが、いつも以上の力を出せるコンディションで臨みたい」と話した。(藤田大道)