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 韓国の元徴用工14人が戦時中に広島の工場で働かされたとして、元徴用工と遺族60人が三菱重工業に損害賠償を求めた訴訟で、ソウル高裁は27日、同社の控訴を棄却し、同社に被害者1人あたり9千万ウォン(約838万円)を支払うよう命じる判決を言い渡した。原告側は会見で、「三菱重工業が日本政府に忖度(そんたく)して上告するなら、被爆者団体の助けを受け、同社と日本政府を相手取って新たな訴訟を起こす」とした。

 裁判資料によると、14人は戦争末期の1944年秋、国民徴用令に基づき、広島にある三菱重工業の機械製作所や鋳鉄工場で働かされ、被爆した。休日も含めて憲兵や警察の監視下にあり、食事の量や質が十分でなかったり、12畳の部屋に12人ほどが寝起きしたりしていたという。元徴用工は全員が亡くなり、遺族が訴訟を続けている。

 徴用工訴訟をめぐっては韓国大法院(最高裁)が昨年、日本製鉄や三菱重工業に賠償を命じる判決を確定させた。日本政府は1965年の日韓請求権協定で「完全かつ最終的に解決された」という立場で企業側も賠償に応じておらず、日韓関係が悪化している。(ソウル=神谷毅)