賜杯に近いのは埼玉出身力士? 優勝ゼロ県の返上なるか

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金子智彦
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 郷土力士と言われるように相撲と出身地の結びつきは強い。幕内最高優勝ともなれば「お国」は大騒ぎだ。一方、いまだに優勝がゼロの府県は13もある。「次こそは」を狙う最有力は、映画でも話題になった“あの県”かもしれない。

 「忙しかった。想像以上ですね。大変だった」。先場所初優勝した富山出身の朝乃山(25)は、地元への凱旋(がいせん)をそう振り返った。

 1909(明治42)年夏場所で個人優勝制度が設けられて以来、富山県勢の優勝は16(大正5)年夏場所の横綱太刀山以来、103年ぶり。優勝総数は太刀山9、朝乃山1の計10回で、全国6位タイになった。

 優勝パレードには、リオデジャネイロ五輪金メダリストレスリング女子・登坂(とうさか)絵莉、柔道女子の田知本(たちもと)遥の2人を祝ったときを上回る約2万5千人が沿道に詰めかけた。公開合宿では朝乃山の一挙手一投足に歓声が起きた。地元の喜びと興奮を実感し、「声はいっぱい届いた。うれしかった」。

時代とともに出身地も変遷

 賜杯(しはい)を抱く者の変遷は、時代の流れと重なる。

 優勝回数をみると、北海道1…

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