【いきもの目線】オオゴマダラ@足立区生物園=2019年6月13日、竹谷俊之撮影
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 大きな羽を広げ、ふわりふわりと優雅に舞う。白と黒のまだら模様が美しい国内最大級のチョウ「オオゴマダラ」だ。ところが、幼虫やさなぎは、成虫からは想像も付かない色をしている。そんな不思議なチョウを一年中、飼育、展示している「足立区生物園」(東京都足立区)で、360度カメラを設置した。

 オオゴマダラは、喜界島(鹿児島県)や沖縄以南の亜熱帯や熱帯地域に生息。羽を広げると約13センチにもなるという。

 園内を順路に沿って進むと、熱帯植物が生い茂るチョウの楽園「大温室」に入る。広さ約500平方メートル、約20種、約800匹のチョウが舞う。冬でも室温18度以上を保つ。チョウ好きにはたまらない場所だ。

 飼育員の水落渚さんが、甘い液を浸したカラフルな造花を容器に入れて持ってきた。「チョウは最初に色を識別して近寄ってきます」という。カメラが隠れるぐらい、たくさんのチョウが集まってくることを期待して、容器の中央に設置。ところが、1、2時間経っても肝心のオオゴマダラが集まらない。「天候に左右されやすく、今日は生殖活動の方が活発ですね」と水落さん。温室内が梅雨時期の晴れ間で蒸し暑すぎた可能性もあり、翌日、再挑戦して撮影できた。

【動画】オオゴマダラのメイキング動画=竹谷俊之撮影

 同園には、ツシマウラボシシジミなど希少種のチョウを卵から育てる「飼育室」がある。たくさんの幼虫やさなぎが入ったケースがずらっと並ぶ。その中で、ひときわ目立つのがオオゴマダラの黄金色のさなぎと、白黒のしま模様に赤い斑点の幼虫だ。

 水落さんによると、サナギは膜が何重にもなり、光を乱反射する構造で、鳥などの捕食者に対する警告色や保護色などの説があるという。羽化の時期が近くなると、次第に黒色になる。幼虫は毒素を含んだ食草ホウライカガミをエサにするため、さなぎや成虫も体内に毒素を持つが、人間が触っても問題はない。(竹谷俊之)