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 桜の咲く頃に国賓として日本へ――。安倍晋三首相は中国の習近平(シーチンピン)国家主席との会談でこう伝え、両首脳は関係改善を前面に打ち出した。「永遠の隣国」として協力する考えで一致したものの、主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)と米中首脳会談を控え、双方の思惑は複雑に絡み合う。

 「日中関係は完全に正常な軌道に戻りました」。会談の冒頭、首相がこう語りかけた。「習近平主席と手を携えて、日中新時代を切り開いていきたい」と続け、「桜の咲く頃」に国賓として招待する考えを伝えた。

 うなずきながら聞いていた習氏も「中日関係は新しい歴史的スタートラインに立っている」とし、「共に新しい時代の要請にふさわしい中日関係の構築に取り組んで参りたい」と語った。国賓としての招待についても「いいアイデアだ」と返答。来春の訪日で一致した。

 西村康稔官房副長官は会談終了後、記者団に対し、「永遠の隣国」という表現について、「お互いに引っ越すことのできない隣国である」とした上で、「恒常的かつ緊密な意思疎通を行う必要性があるということを述べたものだ」と説明した。さらに、「様々な課題はあるが、両首脳の往来や信頼関係を醸成していく中で、問題をマネージしながら関係発展につなげていくということだろう」と語った。

 関係改善をさらに進めていこうとの姿勢は、中国側も同じだ。

 中国外交筋によると、習氏は5月、9年間駐日大使を務めて離任した程永華氏に対し、日本側が首相自ら昼食会を開くなど厚くもてなしたことを高く評価。離任レセプションで首相が「日中はパートナーだ」とあいさつしたことも、「中国側の姿勢を理解した発言だ」と周囲に述べたという。程氏の後任となった孔鉉佑大使も21日の会見で、「競争から協調へ。日中の進むべき道はすでに明確だ」と踏み込んだ。

 だが、目指す関係のあり方には微妙なずれもある。

 中国中央テレビは27日夜、首脳会談の結果について「10の共通認識に達した」と報道した。だが、そこでは日本側がアピールした「永遠の隣国」という表現は使わなかった。北朝鮮問題を巡る発言には触れず、一帯一路を前向きに評価する日本の姿勢や青少年交流の促進、気候変動や保健衛生など世界的課題で協力する点を説明。日中が大国としての役割を共に果たしていくことを強調した。

信頼築くには課題多い

 改善基調に見える日中関係だが、中国は「核心的利益」と位置づける問題では強硬姿勢を続け、二国間に懸案はなお残る。

 尖閣諸島周辺での中国公船の活動は以前にも増して活発になっている。領海侵入は今年、月3~4回のペースに増加。すでに昨年1年間の数に並ぶ。領海の外側にある接続水域の航行は4月から6月にかけ、64日間連続という過去最長を記録した。日本政府関係者は「尖閣の領有権を主張するため、航行の常態化を印象づけるねらいがあるのは明白だ」と警戒を強める。

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