拡大する写真・図版 映画カメラマンの父の写真が飾られた部屋で、ポーズをとる寺田羽菜さん=2019年6月9日午後8時10分、東京都世田谷区、江口和貴撮影

[PR]

 5歳のはなちゃんと、ネクタイ姿の父親が座る食卓に、朝のやわらかな光が差し込んでいる。はなちゃんは自分でつくったみそ汁を口にして思わず「あちっ」と言う。父親は「ふうふうして」と笑う。

 がんで余命わずかな母親が、幼いわが子にみそ汁作りを教える家族の物語。東京の中学3年、寺田羽菜(はな)さん(14)お気に入りの映画のラストシーンだ。

 初めて見たのは、公開から間もない小学5年のときだった。翌日、病室に父を見舞った。羽菜さんの父も末期がんで闘病していた。ベッドのわきに、はなちゃんの映画のチラシが貼ってあるのに気づいた。

 〈あなたは子どもに何をのこせますか?〉

 キャッチコピーを見て、「お母さんだったら、何をのこす?」と母にたずねた。「映画」。そう答えたのは、ベッドで横になる父だった。父・寺田緑郎(ろくろう)が、この映画「はなちゃんのみそ汁」のカメラマンをつとめていた。

 映画館や自宅のリビングで、数…

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

この記事は有料会員記事有料会員記事です。

980円で月300本まで2種類の会員記事を読めるシンプルコースのお申し込みはこちら